BAD & BAD【Ⅰ】
嘘つきフェイス
「……で、具体的には何するの?」
周りに合わせて拳を上げていた師匠が、訝しげに尋ねた。
盛り上がっていた皆が、ピタリと静止する。
一気に、シーンってなった。ミラクル。
「な、何って……」
弘也は拳を下ろしながら、目を泳がせる。
うん、想像してた。
わかってたよ。
皆、無計画だよね。なんにも考えてないよね。ノリだけで生きてるよね。知ってた。
「ア、アレだよアレ~。ねっ、幸珀!!」
ちょっと弘也、私に強引に話を振らないで。
「お前なら大丈夫」って、アイコンタクトで無責任なこと言うな!
私もあんたらと同じ、計画性ゼロの人間なんだから!!
期待を寄せるな!厚かましい!!
「剛が残した手紙ならあるが、見るか?」
「そんなのあるの!?見る見る!たかやん見せて!」
「その前にシャワー浴びさせろ」