BAD & BAD【Ⅰ】
「僕だったら、手がかりになるようなものは、全部隠滅するけどなぁ。証拠は無い方がいいでしょ?」
「確かに、そうかもね~!」
十蔵寺剛は、正体を知られてすぐに去ったほど、急いで神雷から逃げたかった。
なのに、“自分が神雷にいた証”になるようなものを置いていくなんて変だ。
こんなの、家出した子どもが「探してください」ってダイレクトに頼んでいるも同然だ。
十蔵寺剛って、何なの。
かまってちゃんなの?
実はめんどくさいタイプのツンデレなの?
「弘也、手紙貸して」
「ほーい」
弘也から手紙を受け取ったと同時に、さっぱりしたたかやんが遊戯室に遅れて入ってきた。
たかやんの爽やかさにマイナスイオンを感じながら、手紙を読んでみる。