BAD & BAD【Ⅰ】
「手紙の内容、楽天的すぎやしませんかね!?」
「テンション高いな、お前」
肩を上下させながら荒い呼吸を繰り返す私に、たかやんが冷ややかにつっこむ。
気分がおかしくなったのは、こいつがアホなせいだ!!
「言いてぇことはわかるけど、うっせぇんだよ。鎮まれ猛獣」
「うっす」
「ゴリラ化すんな」
「してないよ!?」
たかやん、ひどい。今日の毒がいつもより刺々しいのはどうして!?
乙女心を勉強してください。もしくは眼科に行ってください。
すると師匠が、私とたかやんの間を縫うように割り込んできた。
ずっと気になっていたのか、手紙の内容を盗み見る。
「わかりやすい仕掛けだね」
「し、師匠?」
「ゲームではよくある、初歩的なものだよ」
仕掛け?初歩的なもの?