BAD & BAD【Ⅰ】
私だけでなく師匠以外全員が首をひねった。
師匠はクスリと優しく微笑みながら、手紙の最初の文字を人差し指でなぞった。
「ほら、最初の文字を縦読みするとさ……」
「『神』『雷』『げ』『え』『無』『☆』……神雷げえ無☆……あ!神雷ゲーム!!」
「正解!」
周りから拍手されて、私は照れくさそうに鼻の下を伸ばした。
なるほど、縦読みか。
それでおかしな改行の仕方をしていたんだ。
アホな十蔵寺剛が、よく縦読みの技を仕掛けられたもんだ。
気づいてしまえば、下手くそでバレバレな仕掛けだし、『☆』の意味はないと思うけど。
師匠はすごいな。一瞬読んだだけでそれを見抜いちゃうなんて。さすが、私が認めた唯一のお方だ。
「神雷ゲームっつーのがヒントなのか?」
ちょうど背後にいた桃太郎の呟きに、師匠が「そうらしいね」と肯定を返す。
「そういえば、前に神雷ゲームやったって言ってたよね?」
「あぁ、凛さんが1位だった時のやつか」
「そうそう!」
それだよ、それ。
真修を含めた下っ端達は外野で見守っていて、副総長が1位でゴールしたやつ!