BAD & BAD【Ⅰ】





「それで?どうすんの?めちゃくちゃ警戒心剝き出しで脅されてたけど。神雷やめんの?」



どうやら、私と十蔵寺剛の会話を、一部始終盗み聞きしてたようだ。


デリカシーの欠片もない、俺様何様朔様。ムカつく。



朔には、イヤホンをして盗み聞きしない対策をしてくれる優しさを持ち合わせてはいない。


無自覚ジェントルマンな真修と同じ、私の幼なじみのはずなのに。



むしろ、「俺が聞いて何が悪い」的な態度を取ってくるからね?ひどくない?




「私があんな奴の脅しに屈するとでも?」



心外だなぁ。

そう呟けば、朔はふはっと噴き出した。



「そうだな。お前はそうそう怖がらねぇし、負けねぇ、規格外な奴だったな」



それ、褒めてないでしょ。


半分当たってるけれども。



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