BAD & BAD【Ⅰ】
剛がとあるスイッチを押すと、隔ててあった門が自動で開いた。
すっご。お金持ちの家は、システムが違うね。
突撃訪問メンバーがいつ、昨日みたいにここにやってくるのかわからないけど、ひと足先に侵入成功しちゃった。ラッキー。
「おじゃましまーす」
剛の家に入り、脱いだ靴を揃える。
ふふふ、桃太郎に女子力で負けてられっか。
私だって、さりげなくアピールできるんだよっ!
家の中も、全体的にでっかいなあ。
時代劇のセットみたい。
どこからかちょんまげの殿様が出てきそう。
「こっちだ」
私は黙って、剛についていく。
家が1件建てられそうなほど広い庭に面した、長い長い廊下の突き当たりにある、とある部屋に案内された。
ここって、剛の部屋?