BAD & BAD【Ⅰ】
部屋の中は、剛の服と同様に家の雰囲気がガラリと一変する、白と黒のシンプルかつおしゃれな内装だった。
扉はふすまなのに、床はフローリングで畳ではない。
「だから、なんで合わせないの!?和にしなよ!!」
「お前の好みなんかどうだっていい」
「好みとかじゃなくて!違和感があるのっ!!」
お前は和が嫌いなのか?
畳の匂いも、日本らしい和風も、好きじゃないのか?
どうして!?
いいところだらけなのに!
洋も好きだよ?でも、ここでは和にしようよ。
和の何がいけないっていうの?
洋だけじゃなく、和も受け入れてあげて!
……これが、価値観の違いってやつなのか、そうなのか。
「それで、お前は何しにここに来たわけ?」
「さっきも言ったじゃん。遊びに来たんだよ」
「冗談抜かすな。俺は真面目に聞いてんだ」
「真面目に、遊びに来たんだってば」
半分は、ね。
剛と遊んでる最中に、真実をあぶり出すつもりではいるけど。