BAD & BAD【Ⅰ】
ほうじ茶を一口流して、人格をリセットする。
「首長の話とやらはもういいの?」
「ああ」
「その話って、不良撲滅計画のこと?」
「……さあな」
剛は曖昧に受け答えしながら、扉にもたれかかって私を見下ろす。
相当、警戒されちゃってるなぁ。
そんなに私って不審かな?
あ、美しすぎて逆に怖い、みたいな?
「質問ばっかして……遊びに来たんじゃなかったのか?」
「もう遊んでるじゃん」
「は?」
「これは、質問し合おうゲームだよ。だから、剛も質問していいんだよ?」
「……」
ありゃ、黙っちゃった。
私に聞きたいことの1つや2つ、あるんじゃないの?
無いなら無いでいいんだけどさ。
「剛は、どうやって短期間で多くの不良を撲滅したの?」
「なんでそれを俺に聞くんだ?」
「あんたが適任だから」
「適任、だと?」