BAD & BAD【Ⅰ】
繁華街を通ると、放課後にここで遊んでいた女子達の眼差しをあちこちから感じた。
チラリと女子を横目に見てみれば、女子達はきゃーきゃー騒ぎ出す。
私の横を通り過ぎた女子達は、
「今の人、かっこよくなかった?」
「モデルさんかな?」
「あんなイケメンの彼女になりたいっ」
黄色い声でそう話していて、私は心の中でガッツポーズをする。
よっし。女子公認のイケメン、いただきましたー!
自意識過剰でも過大評価でもなく、正真正銘私はかっこいいんだ。
もしかして、私って、生まれてくる性別間違えた?
私が男なら友達もたくさんいて、告白もたくさんされて、「リア充滅びろ」って言われる側だったんじゃないの!?
なんだろう、この自分自身に負けた気分は。