BAD & BAD【Ⅰ】
現時点では決定までには至らなかったけれど、首長としても神雷は味方につけておいたほうが得策なはずだ。
ほぼ間違いなく、了承の返事をもらえるだろう。
「神雷と首長が手を組むんだって」
「わあ、すごーい!」
「最強タッグじゃん」
野次馬が証人だ。
おそらく今ので、たとえ市民が悪人だろうとなんとかしたいという、首長のイメージができた。
そこに神雷とも協力するという情報もプラスされるから、さらにイメージが良くなる。
それはあくまで、野次馬の勝手な解釈なんだけどね。
それから、真修が下っ端達を率いて、私と剛が倒したボディーガード達の手当てをしてあげた。
だんだんとほとぼりが冷め、野次馬が散っていく。
ボディーガード達が意識を取り戻すと、首長は神雷の皆に別れを告げて、繁華街をあとにした。
「ふぅ、アクシデント無く終わってよかった~」
「作戦成功、だな」
私と剛は安心しながら、変装道具を外す。