BAD & BAD【Ⅰ】
不格好なハートビート
繁華街から首長と神雷がいなくなって、早30分が経過しました。
私と剛は、未だ路地にいます。
「お、おいっ、変じゃないか!?」
「ヘンジャナイヨ」
「ほ、本当か!?服にゴミとかついてねぇか!?」
「ツイテナイヨ」
「カタコトで喋るな!ちゃんと確認してくれよ!!」
さっきから、剛はこんな調子です。
「本当にどこも変じゃないってば」
「本当に本当か?上から下まで、じっくりきっちりしっかりチェックしただろうな!?」
くどいわ!!
気にしすぎなんだよ!
んなもん、ざっくりでいいんだよざっくりで。
「なんでそこまで気にするの」
「す、少しでも良く見られたいからに決まってるだろうが!」
「それ、お見合いする時とか、彼女の家族に会いに行く時とかにする態度じゃない?」
「アホだろお前。そんなことでここまで気を遣わねぇだろ」
「アホはてめぇだ」
少なくとも、私は仲間と会うのに、そこまで気を遣わない。