BAD & BAD【Ⅰ】
「ほら行くよっ」
「いっ!?」
剛の横を通りながら、剛の背中を強く叩いて気合いを入れてあげた。
涙目になってる剛を横目に、ニヒヒと笑う。
それくらい痛がってくれないと、叩いた意味がない。
まだ覚悟ができていない剛と、路地を抜けて神雷のたまり場へ向かった。
心なしか……いや、絶対に、歩くスピードが遅すぎる。
どうしてだ?
不意に視線を落としたら、原因に気づいてしまった。
剛の歩幅が、明らかに狭い!
1歩の幅が、小学生並。
そんな剛に、無意識に合わせてたよ!
どうりでスローペースなわけだよ!
「剛、普通に歩いてくれない?」
「俺は普通だけど?」
「これのどこが普通だ!!」
カメさんもびっくりの遅さだよ!!
自分で気づいてなかったのか!?