BAD & BAD【Ⅰ】
剛の強ばっていた顔が、徐々に和らいでいった。
少しは緊張感が消えたかな。
「もし、皆が受け入れてくれたら、幹部に戻るの?」
「戻んねぇよ。もう幹部の席は埋まってるし……それに、受け入れてくれるだけで嬉しいのに、それ以上何かされたら……」
「俺、泣いちゃう~!」
「勝手に俺の声を真似て言うな。しかも違ぇわ。誰が泣くかよ」
じゃあ、幸せすぎて怖い、ってやつか。
神雷をまた居場所と呼べるだけで、今の剛は満足なんだ。
剛にとっては、神雷そのものが大切な宝物なのかもしれない。
「……だから、もう一度神雷の一員になれたら、俺は下っ端だ。なれたらの話だけどな」
「ふーん。それじゃあ、私と一緒だね」
「げ。……やっぱ、考え直そうかな」
「ちょっと待てこら」
なんで考え直す必要があるんだよ!
私と一緒のどこが不満なの!?
ここは泣いて喜べよ!