BAD & BAD【Ⅰ】
ひとつ咳払いをして、気持ちを切り替えて冷静になる。
さて、ここからどうしよう。
偵察といっても、何をすればいいんだろう。
洋館内に忍び込む?
神雷メンバーが最低野郎ではないか、一人ずつ品定め……じゃなくて、調べる?
わざと喧嘩をふっかけて、神雷の関係を間近で分析する?
「なんか全部面倒くさいな……」
思わず、本音が出てしまった。
罪の意識で、師匠のためにやるとはいえ、私のリスクがあまりにも高い。
はっきり言って、やりたくない!
「帰っちゃおうかなぁ」
パーカーマンに憧れたのは師匠自身だし。
ていうか、師匠が絡まれてたのがいけないんだ。
そうだそうだ!
「私は何も悪くな、い……いや、私が少しも悪くないって言ったら、嘘になるんだけど」