BAD & BAD【Ⅰ】
悩みに悩んだ末、私はやっぱり偵察しようと改めて決めた。
ここまで来ちゃったんだし、やることやって帰ろう。
「一番楽な方法は何だろう」
喧嘩ふっかけるのが、簡単でいいかな。
どうやってふっかけよう。
扉をバーン!と乱暴に開けて、挑戦状叩きつけるか。
うん、そうしよう。
「私って天才かも!」
さすが、お父さんとお母さんの血を引いてるだけはあるね。
バカと天才は紙一重ってよく言うし。
お母さん、どうやら私はバカではなく天才だったらしい。
あとで褒めてください。
それじゃあ、作戦も決まったことだし、挑戦状を書きますか。
この時はまだ、気づいていなかった。
今、紙とペンを持っていないことに。