BAD & BAD【Ⅰ】
「遊園地に行ってどうするのかわかってから、決めようよ。幸珀をこのまま放置するのか、連れ戻すのか」
ね?、と顔を少し傾けた京に、まだ動揺を覗かせている桃太郎や下っ端達がぎこちなく了承した。
冷静になれる時間が、どうしても必要だった。
剛が戻ってきて、幸珀がやめて。
今日はいろんなことがありすぎた。
「……勝手にいなくなってんじゃねぇよ、バカ野郎」
ポツリ、吐き捨てた悪口は、ひどくか細い。
『信じているのなら、それをちゃんと行動で示さないと』
脳裏で、幸珀の不敵な笑みが過った。
あぁ、そうだったな。
言葉よりも、行動で。
立ち止まっていないで、走り出せ。
お前は、そういう奴だったな。
俺はもう、仲間を手放したくない。
だから、俺はあきらめない。
覚悟しとけよ、幸珀。