BAD & BAD【Ⅰ】
少年Rのシークレット
幸珀が神雷を去った日の夜。
俺は、広間の奥にあるベランダで、夜空を眺めながら冷たい風に当たっていた。
まん丸な月の周りで、数え切れないほどの星達が踊っている。
すると、ベランダに誰かがやって来た。
「あ、凛!こんなところにいたんだ」
「……京」
「アイス持ってきたんだけど、食べる?」
「食う。あんがと」
「どういたしまして」
京からカップに入ったチョコのアイスを受け取り、早速頬張る。
ん、うまい。
これ、初めて食った。どこのだろ。
「わあ、今日は満月なんだ!」
急にテンションが上がった京が子どもみたいで、なんだか可愛かった。