BAD & BAD【Ⅰ】
しょうがない。
フォローしとくか。
「反乱はやめておいた方がいいよー」
路地に入り、のらりくらりとした忠告を投下すれば。
そこにいた不良達の視線が、私を捉えた。
「なんだ、お前……!」
「ただの通りすがりの美少女です」
美少女じゃねぇだろ。
って、今呟いた奴、誰だ。許さん。
「えーっと、それで、何だっけ。あー、そうそう。反乱はやめておいた方がいいよ」
「なんでだよ!」
「反乱したって、いいことないから」
そもそも、見た感じ、あんたらレベルがいくら協力しても、神雷に勝てないと思うよ。
「反乱起こしたせいで、不良はやっぱり治安を悪くする!っていう考えが根付いて、不良撲滅隊が復活したらどうすんの?」
「そ、それは……っ」
「ぶっちゃけ、神雷が不良撲滅隊を解散させたって言っても過言じゃないんだからね?」
「まじか!」
「まじまじ。だーかーら、反乱なんか考えないで、不良撲滅隊がいなくなった平和を自由に楽しんでた方がいいよ」