BAD & BAD【Ⅰ】
「あっ、もしかして、神雷に入団希望ですか?」
「えっ、ち、ちが……」
「それならそうと早く言ってくれればいいのに!」
師匠は勘違いしたまま、嬉々として私の背中を押して、洋館の扉を開けた。
違うって!
逆だよ、入りたくないよ!
話聞けよ、このやろう!!
私の意思とは裏腹に、扉はギィ、と軋む音を立てながら開いていく。
「どうぞどうぞ」
「あ、ちょ……!」
師匠に無理やり洋館内に入れられた。
ぶっちゃけ、今の私の怒りはMAXに達しそうだ。
だが、洋館の中の広さと、初めて見たシャンデリアに感動して、怒りのゲージがほんのちょっとだけ下がった気がした。