BAD & BAD【Ⅰ】
だだっ広いホールには、不良がたった2人しかいなかった。
「京おかえ……こいつ、誰だ?」
アッシュピンクの天パのチビな男子が、師匠に駆け寄ってペコリと頭を下げた後で、鋭い目で私を睨んできた。
第1印象、感じの悪いチビ。
「ただいま。彼は、入団希望者だよ!」
胸を張って嘘を言わないでください。
私は、師匠のことを心配して偵察に来ただけですからー!
「凛、はいこれ」
「ん」
階段を椅子代わりにして座ってスマホをいじっていた、藍色のサラサラな髪の男子に、師匠はコンビニの袋から取り出したコンビニ限定のアイスを渡した。
師匠におつかいを頼んでたのは、あいつか。
「おい、お前」
「なに?」
「俺は、お前を認めない!」
「は?」