BAD & BAD【Ⅰ】




さっさと唄子ちゃんに連絡して、用を済ませて、いなくなった方がよさそうだな。



私がスマホを取り出そうとして、視界にギラリとした光が差し込む。


なんだ?



「……ん?副総長のピアスと桃太郎のピアス、似てるね」



太陽に反射して光った物は、2人が耳たぶに付けてるピアスだった。


今まで気づかなかったけれど、副総長は右耳に、桃太郎は左耳に対になるように付けている。



「ああ、これはお揃いなんだ!」



左耳に付いているピアスをいじりながら朗らかに微笑んだ桃太郎は、あっさりと警戒を解いた。



桃太郎の弱点は、副総長に関連すること全てだ。


単純だな、おい。もっと警戒心保てよ。




ピアスをよく見てみると、同じ物なんだとすぐにわかる。



弱々しい風によってゆらり、と小さく揺れた、フェザーデザインのピアス。


不良らしさを際立たせるような形で、格好よくておしゃれだ。



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