BAD & BAD【Ⅰ】
「凛さんが、去年の誕生日にプレゼントしてくれたんだ!」
「セールしてたから、ちょうどいいと思って」
「そういうことは言わない方がいいよ!」
不必要な付け足しをした副総長に、私は即座にアドバイスを送った。
そりゃ、安い方がお財布に優しいけども。
桃太郎の幸せだらけの思い出に、いたずらに要らない情報を与えないであげて。
「凛さん、今なんて言いました?」
「セー……」
「わああああ!」
「え?」
「だから、セー……」
「あ、ああっ!!も、桃太郎、順番来たから乗ろっ」
「え、ちょっ、待っ……!?」
せっかくアドバイスしてやったのに聞いちゃいない副総長が、また余計なことを言う前に、
ちょうどいいタイミングで回ってきたゴンドラに、桃太郎を強引に押し込んだ。