BAD & BAD【Ⅰ】
バカバカしいな。
私、帰ってもいいかな?
呆然としていた私とパッツン男の眼が、不意に重なった。
「君、誰?」
まさか、今私の存在に気づいたの!?
ここ本当に神雷?
皆、鈍すぎじゃない?
「どうしてここに、女の子がいるの〜?」
「!?」
パッツン男が首を傾げて、さらっと真実をばらしやがった。
「誰かの彼女ー?」
「ぼ、ぼぼ、僕は男ですよ!?」
「あはは、可愛い嘘ついちゃって〜」
パッツン男の人差し指の先が、私の鼻のてっぺんにツンと当たった。
き、キモい……!
鳥肌が立ったよ。