BAD & BAD【Ⅰ】
幻想ヒーロー
今日は、7月31日。
夏休みに入って1週間が経過した。
今日もゲーム三昧だ!
朝、ぼんやり本日遊ぶゲームを考えながら、パジャマから服に着替えた。
今第3次パーカーブームが到来しているので、服は楽チンなノースリーブのスウェットパーカーを選んだ。
「今日はあのゲームをしようかな」
師匠が神雷の総長になる前にウザいくらい勧めてきた、最近爆発的人気のアドベンチャーゲーム。
師匠が無理やり私に貸してきて、ずっとゲームの山に埋もれていたやつだ。
クローゼットを閉めようとした時、男装用の学ランが目に留まって、生唾を飲み込む。
神雷に入団した理由は、師匠だった。
ある日突然総長にスカウトされた師匠を、神雷の奴らに痛い目に遭わされてないか心配して、神雷に偵察しに行ったんだ。
最初は、あいつらとよろしくする気なんかなかったんだ。
それなのに。
いつから、あいつらのペースになっていたんだろう。
神雷のはちゃめちゃさは、即効性の毒のようで、馴染んだらもうアウト。効果は絶大だ。