BAD & BAD【Ⅰ】
パタリ、とクローゼットを閉めた空虚な音が、森閑とした部屋によく響いた。
あいつらがいい奴だとわかり、私が神雷にいる理由もない。
これで、いいんだ。
これで、よかったんだ。
後悔なんかしない。
もし時間が昨日に戻っても、私はまた昨日と同じことをするだろう。
昼食を食べてから、本格的にゲームを始めた。
しかし、昼食後だからか、もしくは昨日夜更かししたせいか、瞼がとろん……と重くなってきた。
「ふはぁぁ」
大きなあくびに抗いながら、プレイしていたアドベンチャーゲームをセーブした。
セーブができたことを確かめた数秒後、倒れるように床に横になった。
頭の中を空っぽにして、目を瞑る。
だんだんと夢の世界に誘われて、“あの日”の幻影が私を支配していった。