BAD & BAD【Ⅰ】
「女の子に関してはプロフェッショナルなこの僕が、男を女の子と勘違いするわけないでしょー?」
とことん気持ち悪いな、こいつ。
プロフェッショナルって、なぜにそこだけ英語なの。
「だから、僕は男だって!」
「嘘つかなくていいから、素直になりなよ」
やばい。
これはやばいぞ。
私が幸珀だと師匠に知られたら、事情を話すついでにパーカーマンが私だということもきちんと打ち明けなきゃいけなくなる。
どうする、私!!
「君、男じゃなくておん……グホッ」
「あ」
悶々と考えていた私は、無意識にやってしまった。
パッツン男のお腹に、渾身のパンチを食らわせてしまったのだ。
さっきとは別の意味で、やばい。