BAD & BAD【Ⅰ】
私のクラスはこんなにも、ぐちゃぐちゃでボロボロだったんだ。
『大丈夫?』
『う、うん、ありがとう』
私は涙目になっているAくんに、手を差し伸べる。
すると、タイミング良くチャイムが鳴って、教室に担任の女の先生が入って来た。
Bくんは物足りなさそうにしながらも、いじめるのを中断した。
このまま、いじめがなくなればいいな。
そう、思っていたが。
次の日から、いじめはより一層悪化した。
しかも、タチの悪いことに、Bくんは先生と私がちょうどいない時を見計らって、Aくんを痛めつけるようになってしまったのだ。
そのせいで、先生はこのクラスの異変に気づきもしない。
私が、Bくんの悪質ないじめがまだ続いていることを知ったのは、偶然だった。
私がいじめの仲裁に入った日から、約1週間が経った頃。
放課後、忘れ物を取りに学校に戻ったら、たまたま目撃してしまったんだ。
誰もいない教室で、Bくんと彼の友達がAくんをいじめているところを。
もちろん、すぐに止めに行った。
Bくん達は私に見つかってイラついていた。