BAD & BAD【Ⅰ】
なんでだろう。
パワーがみなぎってくる。
『相談に乗ってくれてありがとうございました』
『力になれてよかった』
『お返しに、風紀委員の仕事で疲れてるであろう委員長に、とっておきの情報を教えます!』
『とっておきの情報?』
『疲れてる時はチョコとか、甘いもの食べるといいですよ!あ、でも、私はチョコよりアイス派ですけど』
意気揚々と伝授する私を、委員長は『そうか』とだけ呟いて朗らかに見つめていた。
できる、気がする。
影響力溢れる、ヒーローのような存在に、なりたい。
きっと、頑張れる。
ううん、頑張るんだ。
次の日。
学校に着いて教室に向かう。
私は、教室には入らずに教室の前で立ち止まった。
教室で朝から、AくんがBくんにいじめられていたからだ。
朝っぱらから、何やってんだあいつは。
昨日の助言を反すうさせ、募っていった不満を深呼吸して洗浄した。