BAD & BAD【Ⅰ】
床に倒れたパッツン男に、ホールにいる全員の視線が集まる。
むくり、と起き上がったパッツン男は、お腹を抑えながら私を睨みつけた。
「僕は、自分より強い子を女の子だとは認めない!!!」
……よし、結果オーライだ。
天パのチビもパッツン男も、私を認めてくれなくて結構です。
「あんた、合格」
階段でずっとアイスを食べていた藍色の髪の……アイスマンでいいや、アイスマンが私に親指を突き立てて言った。
「え……?」
合格?
よく意味がわからなくて、ぱちくりと瞬きをする。
すると、アイスマンが私に近寄ってきた。
「……っ、お前、」
私の顔をじっと見つめてきたアイスマンの瞳が、ゆっくりと丸くなっていく。
な、なに?