BAD & BAD【Ⅰ】
一旦足を止めて、振り返る。
私とは正反対に、ゆっくり歩いている凛の姿に目を疑う。
何やってるんだあいつ!この非常事態に!!
「凛も走ってよ!」
「疲れたくないからヤダ」
ヤダとか、子どもか。
ここで無気力になってどうする。
本気を出してよ。
「今神雷が大変だって知らないの!?」
「知ってる」
「知ってるんかい!!」
知ってて、歩いてるのかよ。
しばくぞ、ボケ。
「だったら、急ごうよ!」
「俺は歩いて行くから、先行ってろ」
こいつ、どこまでも楽する気でいるな?
それでもお前は副総長なのか!?
「わかった。私1人で行く」
「おう、頼んだぞ」