BAD & BAD【Ⅰ】
同時に襲いかかってきた2人が持っている、鉄パイプの先端をパシッと掴む。
2本の鉄パイプを交差させてから、片方の敵の後ろ首に、目にも止まらぬ速さで手刀を入れた。
流れるようにもう片方の敵の背後を取り、首に腕を回して気絶するまで首を締める。
敵2人は気を失って倒れてしまった。
「おい、やめろ!!」
すると、桃太郎の叫び声が響き渡った。
声のした階段近くに視線を移す。
階段近くでは、桃太郎が敵1人に羽交い絞めされていた。
チビな桃太郎は、そのせいで宙に浮いた状態になり、足をばたつかせている。
助太刀してやるか。
私は、桃太郎の元へ走った。
「桃太郎がちっちゃいからって、そのイジり方はどうかと思う、よっ」
桃太郎を羽交い絞めしていた敵の脇腹を、容赦なく蹴り飛ばしたら。
敵は床に倒れて、ぐったりと伸びてしまった。