BAD & BAD【Ⅰ】
解放された桃太郎に、じろりと睨まれた。
「その助け方もどうかと思うぞ!」
「あは、ごめんごめん」
戦況を確認するべく、ホールを見渡す。
たかやんは、遊戯室前で敵2人と戦闘中。
あの様子だと、もう少し長引きそうだ。
階段横にいる師匠は、敵1人に殺られてしまいそうだ。
あとは……って、え?
なんだって?
師匠が、敵に、殺られてしまいそう?
「ちょっと、そこおおお!!」
まだ全体を確認し終えていないが、それどころじゃない。
「私の師匠に、何してくれとんじゃあああっ!!」
体力の限界なんて気にせずに、師匠を攻撃しようとしている敵を指差してロックオンする。
無我夢中に全速力で助走をして、高くジャンプしながら敵に襲いかかった。
口をあんぐり開けてる師匠の前で、敵の上にまたがる。