BAD & BAD【Ⅰ】
右拳をギュゥッときつすぎるくらい握り締め、ゆっくり振り上げた。
最高最強のパンチを受けてみよ!
怒りがマックスに達している私の右拳が、覆面マスク越しに敵の左頬に当たる。
その寸前。
「パーカーマーーーン!!」
「っ!?」
師匠が戦闘中だというのに、無邪気に私の背中にダイブしてきた。
その拍子に、私の上半身は前方に傾いて。
私の額と敵の額が、ゴッツン!!!とものすごい音を立てながら、激しくぶつかってしまった。
さっき凛の足につまづいて、顔面をすりむいたばかりだってのに……!
師匠、急にダイブしてこないでください!!
いや、けど、結果オーライだ。
半端ない威力の頭突きに成功した。
これで、私が一発でぶっ倒してきた他の覆面軍団みたいに、気絶するに違いない。