BAD & BAD【Ⅰ】
階段近くで桃太郎と闘っていた奴は、朔の下僕の銀だった。
え?銀までいるの?
まさか、こいつらって……。
「覆面軍団は、黒龍?」
「やっと気づいたか。ていうか、そろそろどけ」
「あ、ごめん、忘れてた」
「忘れんな。重いんだよ」
「レディーに向かって、重いとはなんだ!」
言い返しながら、朔の上から退く。
黒龍って、確か神雷と同盟を結んでいたんじゃなかったっけ?
同盟族同士で喧嘩してたってこと?
だとしても、わからない点が多すぎる。
神雷と闘った理由は何なのか、
どうして私にわざと倒されたのか、
覆面マスクをつけていた目的は何なのか。
それよりも、まずは。
「あの、師匠、そろそろ離れてもらっていいですか?」
私の背中にしがみついてる師匠に、お願いした。
師匠はダイブしてきてからずっと、私の背中に頬をすりすりしていた。
正直気持ち悪いです。早くやめてください。