BAD & BAD【Ⅰ】
「よく私がパーカーマンだってわかりましたね?」
渋々離れてくれた師匠に、問いかける。
私が神雷で男装してたことは教えたけど、パーカーマンだとは教えていなかった。
バレてなさそうだったから、一応秘密にしてたのに。
「パーカー着て闘ってたから、わかったよ!」
師匠の観察眼は鋭いですね。
なぜその観察眼を持っていながら今までわからなかったのか不思議なくらい、すごいです。
できれば一生気づかないでほしかった。
「あっ、そうだ!誰か、すぐに救急車を呼んで!弘也が、弘也が……っ」
「僕がどうしたの~?」
「弘也が死んじゃう……って、ぅえぇっ!?」
背後から弘也の声がして、後ろに顔を向けてみれば。
血だらけで瀕死状態だったはずの弘也が、けろっとした顔で立っていた。
「ゆ、幽霊!?」
「幽霊ちゃうわ。ちゃんと足あるでしょー?」
「え?じゃあ、どういうこと?なんでそんなに平気そうなの?痛くないの?」
「ぜーんぜん痛くないよーん」