BAD & BAD【Ⅰ】
私がいつ誰にドッキュンしたと言うんだ。
誰にもしてないわ!
「ばっ、バカ真修!ドッキリ大成功、だろ!?」
「へ?……あああっ、す、すみません!!」
たかやんに注意されるまで、真修は間違いに気づかなかったようで、慌てて頭を下げて謝った。
どうやったら、ドッキリをドッキュンと間違うの。
「うわ、ほんとだ。看板作ってる最中に、誰か気づけよ」
そうボヤく剛こそ、気づけよ。
「真修らしいドジだな」
「本当にね」
朔と私は顔を見合わせて、呆れながらも目を細めた。
看板は「ドッキュン大成功」じゃなくて、「ドッキリ大成功」となる予定だったのね。
弘也が血だらけなのに平気なのも納得だ。その服に付いているのは、血のりか何か?
つまり、皆が私をドッキリにはめた、というわけか。