BAD & BAD【Ⅰ】
「ついにチョコケーキが食える……!」
「よかったね、凛」
「京も楽しみだろ?」
「うんっ!早く食べたいな」
「なあ、弘也。俺達黒龍もパーティーに参加していいよな?」
「いいに決まってんじゃーん!!」
どうやら最初からパーティーの準備はしていたらしく、皆は騒ぎながら広間に直行している。
少しは、感動に浸ろうよ。
早速私をほっとかないで。放置プレイ?
皆、我慢しないで泣いてもいいんだよ!?
幸珀ちゃん寂しい!
「な、なあ」
「ん?あれ、どうしたの桃太郎」
ホールに残された私の服の裾を、桃太郎がクイクイッと軽く引っ張った。
ここでも女子力が発揮されている!
こんな時に、私に女子力アピールするとは卑怯な……!!
そのモテ技、盗んでやる。