BAD & BAD【Ⅰ】




不良になったのも、本気にならなくなったのも、“あの日”が原因だったんだね。


自分自身を否定して、過去を悔やんできた凛の姿がひどく幼くて儚くて、切なげだった。



神雷のメンバーになると必ず情けなくなって、くよくよするようにできてるんじゃないかと感じるくらい、

神雷の皆は未練がましく悩んでるなぁ。




「俺があんな助言しなければ……」


「凛のせいじゃないよ」



もどかしげに自虐する凛の嘆きにかぶせて、はっきりと断言した。



真っ直ぐさが正しいのか間違いなのかは、私にもわからない。


どんな生き方をするのかは人それぞれだし、それに口出ししようとは思わない。



でもね、凛。

これだけは言わせて。



「凛が相談に乗ってくれたおかげで、私は今ここにいる。だから、ありがとうね」



どんな性格をしていても、凛であることは変わらない。


全力を出さなくたって、凛は凛だ。



正しくなくても、間違っていても、毎日が幸せならそれでいいじゃん。


もっと、自由に伸びやかに過ごそう?ほら、いつものようにアイスでも食べてさ。




“あの日”を過去のものにして、“今”凛らしくそばにいてよ。




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