BAD & BAD【Ⅰ】
「私ね、昔の凛も今の凛も、大好きだよ」
想いが、溢れ出す。
飛び散った想いの破片は、きらきら眩く、凛の心に届けられていく。
顔が真っ赤に熟れていく感覚で、我に返った。
あ、つい、言っちゃった。
言うつもりなかったのに。
「あ、えっと、その……」
ああもうっ、こうなったら勢いで言っちゃえ!!
「れ、恋愛的な意味で、好き……です」
熱い!耳まであっつい!
恐るべし、恋の病。
チラリと横目に凛を盗み見たら、なぜか凛が顔を近づけていた。
いきなり何!?
近すぎでしょ!距離感どうした!?
「り、凛……?」
「俺も、好き」
「えっ、……んっ!」
凛に妖艶に囁かれた後、凛は目を閉じる隙も与えずに私の唇を奪った。
ファーストキスは、甘ったるいチョコレートの味がした。