BAD & BAD【Ⅰ】




凛の唇はすぐに離れた。


何が何だかわからず、ぱちくりと瞬きをする。



凛が好きって言って、唇と唇が重なっ、た?


両思いってこと?



頭がついていかずに硬直状態に陥る私に、凛がまたキスしようとしてきた。



視界にドアップに映った凛にハッとして、瞬時に凛の顔を両手で覆って跳ね返そうとした。


けれど、凛も負けじと押してくる。



このバカ力め!



私は考える時間がほしいんだよ!

タイムだタイム!


ちょっとくらい待ってくれ!!



少女漫画とは違いすぎる。恥ずかしむ暇もない、もはや格闘。


初キスって、もっとロマンチックなムードが漂ってるもんじゃないの!?



凛が私の両肩に手を添え、本気を出してきた。


こんなところで本気を出すのやめろ。



「嫌なのか?」


「そういう問題じゃない!!」




< 460 / 540 >

この作品をシェア

pagetop