BAD & BAD【Ⅰ】
凛の唇はすぐに離れた。
何が何だかわからず、ぱちくりと瞬きをする。
凛が好きって言って、唇と唇が重なっ、た?
両思いってこと?
頭がついていかずに硬直状態に陥る私に、凛がまたキスしようとしてきた。
視界にドアップに映った凛にハッとして、瞬時に凛の顔を両手で覆って跳ね返そうとした。
けれど、凛も負けじと押してくる。
このバカ力め!
私は考える時間がほしいんだよ!
タイムだタイム!
ちょっとくらい待ってくれ!!
少女漫画とは違いすぎる。恥ずかしむ暇もない、もはや格闘。
初キスって、もっとロマンチックなムードが漂ってるもんじゃないの!?
凛が私の両肩に手を添え、本気を出してきた。
こんなところで本気を出すのやめろ。
「嫌なのか?」
「そういう問題じゃない!!」