BAD & BAD【Ⅰ】
翻弄チェイサー
剛と私の歓迎パーティーは、たかやんの復帰パーティーの二の舞になった。
悲惨な殺人現場の如く、荒れに荒れ果てた広間は、もはや「ひどい」の一言では済まされない。
広間で一夜を明かした私達パーティー参加者は、たかやんの凄まじい殺気で目が覚め、土下座で謝罪。
ちなみに神雷ゲームは、いつまで経っても誰もゴールできなくて。
一旦中断して、気分転換してからもう1回やろうとか言っておきながら、結局最後までやり通さなかった。
そんな散々な歓迎パーティーから、1週間。
8月に突入して、さらに暑さが際立つ真夏の繁華街は、現在の時刻が正午ということもあり、やけに混雑している。
私は、繁華街での待ち合わせスポットの1つ、
繁華街の端にある、アイスを食べている何かのキャラクターの巨大な像の前で、凛を待っていた。
今日の私は、いつもとはひと味もふた味も違う。
ガラにもなく淡いピンクのワンピースを着たり、ヒールの付いたパンプスを履いたり、髪型だってふっわふわに巻いてきたりした。
……そう、つまり、本日の私の格好は女子力が格段に高い、完璧な清楚コーデなのだ。