BAD & BAD【Ⅰ】
今日は、嬉し恥ずかしの初デートなんだよ。
そんな大切な日を、お前らなんかにめちゃくちゃにされたくない。
ということで、帰れ。
デートの妨害すんな。
「わあ!幸珀、その格好すっごく似合ってるよ!」
「ああ、すげぇ可愛い」
師匠と凛が褒めてくれて、弘也への怒りを忘れて、頬を赤らめながら笑みをこぼす。
そうでしょう、そうでしょう。
可愛いのは当たり前じゃん。私が女の子らしさをMAXに引き出してるんだから。
2人とも見る目あるねぇ。
もっと褒めてくれてもいいのよ?
「……う、うん、すごく、い、いいと思うよ?」
おいこら、真修。
本当にそう思ってるなら、ちゃんと目を合わせろよ。
視線を逸らしながら言うな。
しかも疑問形て。
ふざけんな。