BAD & BAD【Ⅰ】
実際、神雷に入ってみたら奇抜でおかしな集団で、クールな印象が台無しだった。
イメージと現実の差異は、早急にどうにかするべきだと思う。
かっこよさ皆無だから。
「神雷といえば、最近首長に媚売ったって有名じゃねぇか」
「神雷も落ちたもんだな」
太った男と細身の男は焦りを落ち着かせるために、私達神雷を挑発してきた。
こいつら、バカなの?
あれは媚びたんじゃない。
状況を変えるための作戦だよ。
媚びてきたのは、むしろあっちの方。
事実を知らない奴が、噂にばかり頼らないでくれる?
「そんなやっすい挑発に誰がのるか、バーカ」
「んだと、このアマ……!」
べーっと舌を出した私に、太った男が頭に血を上らせる。
私と凛はこれからラブラブデートをするの。
なのに、あんたらなんかに構ってられるか。
邪魔しないで。