BAD & BAD【Ⅰ】
不思議に思って、私と朔の口論を一時ストップさせる。
どうかした?
あっ、真修も朔の俺様にムカついたの?
「真修?」
朔の呼び声に応えるみたいに、真修の灰色の瞳が朗らかに細められた。
「なんか、2人は絵になるな、ってしみじみ思ってた」
へへ、とあどけない笑みがこぼす真修に対して、私は片方の眉尻を上げた。
はいー?絵になるだぁ?
「私と、朔が?」
「うん」
「朔とセット扱いされたくないんですけど」
「それは俺のセリフだ」
「私1人でだって絵になるし!」
「それも俺のセリフだ」
ふてくされる私から、朔がことどとくセリフを奪っていく。
お前のセリフじゃない。私のセリフなんだよ。黙れ俺様。