BAD & BAD【Ⅰ】
え?
先生が、仁奈さんをいじめていた張本人?
想定外の真実に、私は頭が真っ白になった。
それ以降、会話は続かなかった。
帰宅してもずっと、思考回路は、お母さんと仁奈さんと先生の歪な関係図が廻っていた。
次の日の朝。
なんとか関係を把握した私は、第1次パーカーブームが到来していたためお気に入りのパーカーを着て、いつもより早く登校した。
朝早くから学校に来ている先生に、確かめたかった。
仁奈さんにしたことを後悔していますか、と。
不躾な質問だろうが、いじめに対する意見を伺いたかったのだ。
もしかしたら、昨日、Bくんの母親にBくんがいじめをしていた件を教えなかったのも、過去の教訓から先生なりに考えがあったのかもしれない。
既に教室にいたクラスメイトに忌み嫌われ、居づらくて。
直ちに教室を出て、先生がいるであろう職員室に向かった。