BAD & BAD【Ⅰ】
「あ、あのさ、もう1つ聞いてもいい?」
「ん~?何?」
「神雷のメンバーって、これだけ?」
「ははっ、んなわけないじゃーん。下っ端達は皆、あそこの遊戯室にいるんだ」
弘也は左方向にある扉の一つを示しながら、そう返答した。
なんだ、そうだったのか。
そりゃそうだ。
有名な神雷のメンバーが、たった数人しかいないわけないよね。
「下っ端の役割とか普段の過ごし方とか、他にわからないことがあったら、下っ端達のリーダーに聞くといいよ!」
そう助言ずる、師匠の柔らかな笑顔に癒される。
リーダーといえば、下っ端の中で1番実力がある、次期総長の有力候補。
どんな人なんだろう。
「おい、真修。ちょっと来い」
桃太郎がわざわざ遊戯室の扉を開けて、その下っ端内でのリーダーとかいう人を呼び出した。
あれ?桃太郎がリーダーを「真修」って呼んでなかった?
すっっごく聞き覚えのある名前なのは、やけに今日は連発してる、単なる偶然だよね?