BAD & BAD【Ⅰ】
『私を……円堂仁奈を殺した罪を背負って、一生苦しみながら生きろ』
それが、愚かな先生の、罰。
刻まれた十字架は、二度と消え失せはしない。
寿命が尽きるその時が、償いを終える時だ。
『一瞬でも過去を嘲笑って、いじめを見て見ぬフリをしたら……』
胸倉を放し、表情に笑顔を戻す。
冷ややかな殺意を纏って。
『呪っちゃうよ』
ワントーン高めの甘いボイスで、耳打ちする。
それが余計に、恐怖心を煽った。
あれ?これじゃあ、復讐というより、脅迫じゃないか?
まあいいか。
先生を反省させるのが、一番の目的だし。