BAD & BAD【Ⅰ】
桃太郎の呼び出しに応えたリーダーが、今まで操作していたと思しきスマホ片手に、遊戯室から出てきた。
リーダーと向かい合うような形になり、私の表情が無になる。
リーダーも、幽霊でも見たかのように驚いてる。
スマホを握ってる指先が、震えていた。
「な、な、なんで……?」
それはこっちのセリフだ。
「なんでここに幸珀が……ブフッ」
私は反射的に、リーダーの口を両手で塞いだ。
「ちょーっと黙ろうね」
つーか、黙れ。
「なんだ、知り合いか?」
「ま、まあ、そんなところ」
桃太郎の質問に、私は苦笑いで答える。
まさかこいつが神雷の一員で、しかもリーダー格だったなんて。
どうして今日は、こうも信じられない出来事が続けて起こるんだ!
私はリーダーと共に隅へ移動し、皆が不思議そうにしている中、コソコソと話をした。
「なんで幸珀がここにいるわけ!?」
「成り行きっていうかなんていうか……あはは」
「あははじゃないよ……」