BAD & BAD【Ⅰ】
あったかいなあ。
泣き出しそうな笑みが、溢れた。
「幸珀、大丈夫?」
「え?」
「顔、真っ白だよ」
真修が不安そうに私の顔を覗き見る。
青じゃなく、白。
私は相当、滅入っていたらしい。
「今日はたまり場に行くのやめとけ。家で安静にしてろ」
「ううん、行く」
「けどよ……」
「行けば元気になるから」
「んだよそれ」
朔の気遣いに、お礼を伝える。
ありがとう。
でも、ごめんね。
今、仲間に会いたいの。
会って、あのはちゃめちゃさに安心したい。
不穏な予兆を、今すぐに、忘れたい。
私が不格好に軋んだ表情を無理やりほころばせれば、朔と真修は顔を見合わせて、仕方なさそうに許してくれた。