BAD & BAD【Ⅰ】
相手が私でよかったね。
私は慣れてるんで、真修に胸キュンしません。
でも、お願いだから、ドジって私の正体をバラさないでよね。
真修は、ここでの唯一の味方なんだから。
「おーい、そろそろいーい?」
弘也の声で、私は皆の存在を思い出した。
アイコンタクトで真修に「本当によろしく頼むよ」と熱い念を送り、皆の元へ戻る。
「2人とも知り合いなら、自己紹介は要らねぇな」
「2人って、どんな関係なの~?」
桃太郎の頭を肘置きにしながら言った副総長に続いて、弘也が余計なことを聞いてきた。
弘也のやつ、そんなことを聞くんじゃないよ!
どうでもいいでしょ!?
「え、あー、その……こ、幸珀とは家族ぐる」
「幼なじみだよっ」
真修のたどたどしい口調を強引に断ち切って、私がにっこりスマイルを顔に貼り付けて返答した。